自己分析の鉄板、「CAN・WILL・MUST」のフレームワークを紹介します。転職活動の初期に使うことが多いとは思いますが、キャリアの棚卸は定期的にした方がいいですし、いくつになっても使える便利なフレームワークです。
- キャリアの棚卸、自己分析に使えるフレームワーク
- 【CAN:何ができる人か即答できますか?】
- 自分が積み上げてきた経験・スキルを相対評価ではなく絶対評価する
- 【WILL:転職活動をしていく上で、一番大切なもの】
- 「WILL」を探す自問自答を繰り返す
- グッド・ウィル・ハンティング
- 【MUST:会社や上司、回りの人間から期待されていること】
- 「MUST」は捉え方次第では将来のキャリアに役に立つ~Connecting the dots~
- CAN・WILLから導き出すキャリアの方向性とMUSTは一致していますか?
- 自分を知るということが全ての出発点
- 自分のキャリアを言語化できないのは、単純に慣れていないだけ
- 転職活動をスタートするタイミング!?
キャリアの棚卸、自己分析に使えるフレームワーク
このフレームワークは、例えば、
- 好きなことは何か?
- 結局、何がやりたいのか?
- キャリアの棚卸の具体的なやり方は?
- 自己分析ってどうするのか?
等の問いに対し、CAN・WILL・MUSTで整理し、答えを出せる優れもの(フレームワーク)です。
ある意味、「何ができて」、「何がやりたくて」、「何をやらなければならないのか(何が求められているか)」を自然に答えることができる人は、既に「キャリアの棚卸」や「自己分析」ができているとも言えると思います。
そういう人は、このフレームワークは必要ないと思うので、自己分析と同様に大切な企業分析を優先することをおすすめします。
⇒こちらの記事をどうぞ。
キャリアの棚卸、自己分析と言われても、あまりピンとこない方や、そういう経験が
無い方はこのまま読み進めてください!
【CAN:何ができる人か即答できますか?】
結論からいくと、CAN・WILL・MUSTの3つが重なる分野で今仕事ができていれば、100点満点、サラリーマンの勝ち組と思って間違いありません!
ちなみに、私の今の仕事は、「営業組織のデジタル化を進める」とか、「EC事業を推進する」とかなのですが、そこそこ重なる部分があるのかなぁ、と今書きながら改めて感じています(良かった)。
では、一つずつ見ていきましょう。
CAN:「何ができる人ですか?」という問いに対する答え
元々得意なことや、過去の仕事の経験を振り返って、どんなスキルが今の自分にはあるのか考えてみてください!
今まで仕事で何をやってきたのかを箇条書きで書き出して、「得意」、「不得意」で〇、✖を付けていくやり方が簡単なので、おススメです。
箇条書きで書いていくと、案外たくさんのことを経験してきたなぁ、と自分のことを褒めたくなること間違いなし!なので、是非実際にやってみてくださいね。
自分が積み上げてきた経験・スキルを相対評価ではなく絶対評価する
ポイントとして、自分の経験してきた仕事を先ず「相対評価ではなく絶対評価」してください。この仕事の経験はあるんだけれど、「あいつの方が高い実績を出している」というようなことは考える必要はありません。
人と比べて「優っている」「劣っている」ということではなくて、あくまでもこれまで自分が積み上げてきた経験・スキルのことですから。ここで振り返るべきは。
過去の経験を書こうと思ってもなかなか出てこない場合、他のやり方としては、上司、同僚、部下、友人等に「自分の得意」なことを聞いてみるのも良いやり方です。自分の回りの人間の方が案外、知っていてくれている場合もありますから。
私の場合は、「会社内部・会社外部問わず、様々な場面での交渉力に定評がある」だったり、「自由に生きてて羨ましい」などのコメントを頂戴しました (笑)
【WILL:転職活動をしていく上で、一番大切なもの】
WILL:「何がやりたい人?」という問いに対する答え
そもそも、俺って(私って)何がやりたかったっけ?
そもそも、何を成し遂げたくて今の会社に入ったっけ?
そもそも、どんな人間になりたかったっけ?
仕事に忙殺されていると、残念な事にこういう問いを自分にしなくなってしまいますが、、、端的にいうと、何の為に働いているのか、ということですね。
転職活動をしていく上で、一番大切な視点がこの「WILL」です。
「CAN」は、自分が仕事を通して経験してきたことですので、比較的言語化し易いと思います。
しかし、この「WILL」については、ご自身の原体験に由るところが大きいので、「そもそも、何だっけ?」と意識的に思い出す必要があります。
もしかすると読者さんによっては、何となく今の会社に入ったので、その当時から明確な「WILL」が無かった。または、3年・5年・10年後にどんな風になりたいのか、というキャリアイメージを今現在も持てていない、というケースもあるでしょう。
そういう場合でも、特に悲観する必要はありません。今回のように少し立ち止まって「WILL」を考えるということ、この行動自体がある意味で「自己分析」と言えるからです。自分に問いを発し続けることが凄い大切です。
「WILL」を探す自問自答を繰り返す
ご自身に問い続けた結果、「これをやるで!」とか、「何かを成し遂げたい、!」という「WILL」が見つかった人は、おめでとうございます!!
それが貴方の「好きなことを仕事にする」という素晴らしいテーマに繋がっていきますから、それが現職で実現できるのか、それとも、転職しないと実現できないものなのかを更に深堀してみてください。
一方、「明確なWILLが見つからない」、また、「もともとそんな野望はないよ」、「普通に仕事ができればそれでOKよ」というケースの読者さんもいると思います。そのケースの場合は、まず「現職での不満」を洗い出してみることをおすすめします。
「不満=希望の裏返し」ですから、不満を深堀することによって、ご自身が仕事に対してどんな期待をしている(以前はしていた)のかがぼんやり見えてきて、それが「やりたいこと」の発見に繋がってくる可能性もあります。
例えば、、
→労働時間が長くて毎日しんどい・・・
→労働時間が短い職場だったら良いのかなぁ?
→そもそも今の仕事がつまらないから、労働時間を短くしたいという思考になっているのかな?
→なんで今の仕事はつまらないって感じているんだっけ?
→上司やメンバーと合わないから?
→人に起因する問題?
→人が変われば「つまらない」から「おもしろい」に変わるのかなぁ?
→それって本当?
→じゃあ、自分にとって面白い仕事って何?
→→→→
こんな感じで自問自答してみてください。
堂々巡りになっても良いと思いますよ。問いに問いをかぶせて深掘っていく先に、自分の「価値観」や「譲れない根っこ」が見てくるはずです。
自問自答をする時のテクニックとしては、
「紙に書いてやること」
「そもそも?」と質問をしていくこと
ですね。騙されたと思って一度やってみてください。
紙に書くことで頭の中が整理されてきますし、「そもそも?」と繰り返し質問してくことでご自身の深い所まで下りていけるはずですので、頑張って「WILL」を探してみてください。
グッド・ウィル・ハンティング
それでもなかなかWILLが見つからない方は、こちらの映画で気分転換してみてはいかがでしょうか!?
私は100回は見たかもしれません。めちゃくちゃいい映画!!マット・デイモン演じる主人公のウィルが、自分の「WILL」を探す旅をずっとずっとしたその先に、答えを見つけるという内容です。
今気づきましたが、この映画、CAN・WILL・MUSTのフレームワークで脚本書いているんじゃないかなぁ。だって、主人公の名前がWILLですからw
共演のベン・アフレックもいい味出してるんすよね。映画の終盤、工事現場でウィルを敢えて突き放す場面があるのですが、名シーンでございます。
【MUST:会社や上司、回りの人間から期待されていること】
「MUST」の解釈が一番シンプルです。直訳すると「やらなければならないこと」ですよね。つまり、仕事において自分の意思(WILL)や得意なこと(CAN)とは関係無しに、「会社からの指示でやらなければならない仕事」という理解をしてみてください。
例えば、
- 会社や上司からの仕事の依頼
- 日常のルーチン業務
- お客様からのリクエスト
このあたりについてはやらざるを得ないと思いますので、「MUST」であると言えると思います。
「MUST」は捉え方次第では将来のキャリアに役に立つ~Connecting the dots~
「MUST」についての解釈は、ネガティブとポジティブに分けても考えられます。
ネガティブに考えると、会社や上司やお客様から命令(依頼)された仕事なので、「やらなしゃーないやん」と受け取り、義務感から取り組むという解釈。
一方、ポジティブに考えると、会社や上司やお客様から命令(依頼)された仕事ではあるけれど、前向きに捉えて、「この仕事が将来の自分の得意分野(CAN)になるかしれないし、もしかしたら、やりたい仕事(WILL)にも繋がっていくかもしれない」と積極的に取り組むという解釈。
「MUST」のどうしてもやらなければならない、また、それがしょうもない仕事であっても、斯様に学ぶべきところが全く無い仕事は無いと思うし(前向きに捉えれば)、その仕事が後で振り返った時に、将来の自分に凄く活きてくるというケースもあり得るでしょう。
その時は将来役に立つと当然思っていないわけですが・・晩年に振り返った時にふと気づく。いわゆる、点と点が線に繋がるというやつですね!
はい、スティーブ・ジョブズの「Connecting the dots」です。有名な動画ですので、見たことが無い方はチェックしてください!
一見無駄なことだと思えることが、後々に役に立つことは多いにあり得ます。そう考えると、無駄な仕事が侮れなくなります。。考え方1つで今見えている景色が変わります。
CAN・WILLから導き出すキャリアの方向性とMUSTは一致していますか?
CAN・WILL・MUSTのフレームでの「MUST」の使い方としては、
CAN(できること)とWILL(やりたいこと)に一致する形でのMUST(やるべき仕事)なのか否か
を確認してみてください。
一致していれば、キャリアとしては素晴らしい状況だと思います。
一方で、例えば、CANやWILLが明確になってきて、キャリアの方向性が見えてきたけど、キャリアの方向性と会社から振られる仕事(MUST)が全然マッチしていないケースもあるでしょう。
ご自身の考えられるキャリアが今の職場で実現できないというケースの場合は、現職において、自身が思い描くキャリアが本当に実現できないのかどうかを深く探り、見極めた上で、転職へと舵をきるようにしていくとよいと思います。
「転職は慎重に」。詳しくはこちらをどうぞ。
自分を知るということが全ての出発点
ここまで、CAN・WILL・MUSTのフレームワークについて解説してきました。
このフレームワークは、転職活動のスタートダッシュに必要な「自己分析」や「キャリアの棚卸」に活かせますし、そもそも、
自分を知るということが、転職活動の出発点になります。
具体的には、
「自分は何ができるのか」
「自分は何がやりたいのか」
「自分は何をやらなければならないのか」
この3つの問いに答えていくことが、「自己分析」や「キャリアの棚卸」に繋がりますし、そして、自分の「仕事観の軸」を見つめ直すことにも発展していきます。
何も考えずに会社に言われたことしかやってこなかったサラリーマン人生では、将来明るくないですからね。この記事も参考にしてみてください。
自分のキャリアを言語化できないのは、単純に慣れていないだけ
CAN・WILL・MUSTのフレームワークを一度試してみた前提で話を進めます。
自分のCAN・WILL・MUSTについて、いざ言語化しようと頑張ったけども、すらすら書ける人は案外少ないだろうと想像しています。自分のことなのに不思議ですよね。
でも、理由は簡単です。「キャリアの棚卸」や「自己分析」に単純に慣れていないだけです。そういう経験が少ないので、なかなか言語化ができないというわけであります。
私は、一年に何回かそういう振り返る機会を敢えて作って、
- 去年と比べてどんな「CAN」が増えたのか?
- 新しい「WILL」を見落としていないか?
- 「MUST」に変化は無いか?
等を自問自答しています。
「自己分析」は慣れですので、定期的に振り返るようにしていれば、言語化は自然とできるようになります。
自分1人ではちょっと難しいよ、という場合は、転職エージェントに対話の相手をしてもらうとか、こういうサービスも利用してみてくださいミイダス(質問に答えていくことで、ご自身の市場価値が分かります)。
転職活動をスタートするタイミング!?
CAN・WILL・MUSTで振り返りをやってみて、「自分が描くキャリアの方向性(仕事)」と「会社から求めれている仕事」は一致していましたか?
一致してれば、ガンガン現職で実績を積んでいきましょう!
残念ながら一致していないのであれば・・・
現職を続けるのが自分にとってベターなのかどうかを冷静に見極めつつ、同時に、転職活動へと舵をきる頃合いかもしれません。
CAN・WILL・MUSTのフレームワークで振り返っておけば、ご自身についてしっかり把握できていますから、転職エージェントとの対話や転職活動もサクサク進めることができると思います。
自分のことを知っているということは、例えば、どんな転職がしたいのか、現職にこんな不満があるから次の職場ではこういうしたい、というようなことが明確に語れますからね。
今まで転職活動に踏ん切りがつかなかったのであれば、このタイミングで是非やってみましょう!みなさまの転職活動がうまくいくことを祈念いたします!