転職活動で最初の山場が職務経歴書の作成です。作業としてはボリューミーですし、経歴を単純に書けばいいってものではないですから、転職初心者の方は、ここでつまづいてしまいます。
この記事を読むことで、転職活動で避けては通れない職務経歴書の作成の仕方やコツ、書類選考が通り易い書類等について理解することができるようになっています。
- 職務経歴書は企業の担当者(読み手)が読み易いように書く
- 職務経歴書には成功事例だけでなく失敗事例も載せること
- 期初に職務経歴書に書くべき内容(目標)を決めてから、仕事に取り組む
- 期初に決めた目標達成度合いを期末にレビュー、職務経歴書に落とし込む
- 100%合格する職務経歴書とは?
- 書類選考結果の良し悪しに関わらず企業からのフィードバックは必ず貰う
職務経歴書は企業の担当者(読み手)が読み易いように書く
職務経歴書のフォーマットとしては、
- 編年体(時系列で過去から現在まで書く)
- 逆編年体(時系列で現在から過去まで書く)
- キャリア形式(業務やプロジェクト単位で纏める)
の3つがあります。テンプレートはネットに色々落ちているので、自分にあった書き易そうなものをチェックしてみてください。
3回以上の転職をされている方で、直近の職歴を強調したいのであれば、「逆編年体」がおすすめです。1~2回の転職であれば、「編年体」の方が書き易いと思います。
ちなみに、「キャリア形式」はより専門性が高い職種だったり、転職回数がすごい多い場合に使います。一般的にはこの形式で職務経歴書を書くことは無いのでスルーで良いです(私も未経験)。
私の場合は、「逆編年体」で斯様に書いています。
職務経歴~略歴~
職務経歴~要旨~
自己PR
職務経歴~詳細~
5回転職しているので、ボリュームとしてはA4、2枚~3枚になっています。少し多い気がしますが、A4、2枚におさまるぐらいが丁度よいと思います。
色々書きまくっても企業側の担当者は読むのがしんどいでしょうから、これぞという「成果・行動・考え方」を端的にキャッチーに書いた方が読み手にとって優しいですね。
職務経歴書には成功事例だけでなく失敗事例も載せること
一番理想的なのは、転職希望先毎に職務経歴書をカスタマイズすることなのですが、正直それは現実的ではないと思うので、まず一つメインの軸となる職務経歴書を作成しましょう。
メインが出来て、転職活動の時間に余裕がある方は、各企業毎にカスタマイズしていくのがベターです。
書類審査が通った後の「面接」では、この「職務経歴書」をベースに質問をされることになります。
ご自身の経歴で、深掘りして貰いたい内容を予め職務経歴書に書いておけば、質問には容易に答えることが出来ると思うので、面接を想定した上で「職務経歴書」を書いた方が良いです。
なお、経歴を単純に羅列するだけでなく、企業の担当者に読んで貰える工夫もしないといけません。
書類審査が通過しない場合(企業の欲しい人材ニーズに全然マッチしていない場合は諦める)は、職務経歴書の工夫が足りていないケースがほとんどです。
例えば、
・端的な表現を使えていない
・要約や見出しが無い
・専門用語が多く、企業の担当者にとって読みずらい表現が多い
・事実の羅列ばかりで、考え方→行動→成果が見えない
です。
「社長賞やMVPを取った」とか、「前年対比200%達成」とか、「プロジェクトを成功に導いた」とか、「30%コスト削減した」とか、それはそれですごいことなのですが、成果ばかり強調してもアピールになりません。
成果を出す為に、どういう考え方でその仕事に臨んで、実際にどう行動したのか、というプロセスの部分が実は大切なポイントで、そこが抜け落ちていてはいい職務経歴書とは言えません。
仮に他の人と同じような成果だったとしても、仕事のやり方は十人十色なので、自分なりに工夫したやり方を職務経歴書に書くようにしましょう。
それが差別化に繋がりますし、企業の担当者の目にとまるきっかけになります。また、一方で成果を出せなかったプロジェクトや失敗に終わったプロジェクトについての反省論が企業の担当者に刺さることもあります。
今回のプロジェクトは失敗だったけど、そこからこういう学びを得たとか、こんな課題が明確になったので、次回はこういうアクションを取るとか、色々語れることがあると思います。
成功事例を職務経歴書に書くケースは普通ですが、失敗事例も合わせて職務経歴書に書くことで、他の候補者との差別化ができます。
結局は、他の求職者と比べて、企業の担当者に目に留まるかどうかがボーダーラインになってきますので、成功事例ではなく失敗事例を職務経歴書に入れることはインパクトがあると思いますよ。
期初に職務経歴書に書くべき内容(目標)を決めてから、仕事に取り組む
転職活動の為に職務経歴書を作成する訳ですが、それとは違う観点で大事なポイントがあります。
端的にいうと、現職の仕事に臨む際の地図、道しるべとして職務経歴書を使うというものです。
私が職務経歴書作成を意識するタイミングは1年に2回あります。
- 期初に(一般的には4月)、仕事で達成した目標、すなわち、職務経歴書に何を書きたいのかを決める
- 期末に(一般的に3月)、期初に決めた目標、すなわち、実際の仕事においての実現度合いを振り返り、実際に職務経歴書を加筆、修正していく
「期初に職務経歴書を考える習慣を作ること」が非常に大切です。
皆さまはどんなキャリアを創り上げるのかを決めた上で仕事に臨んでいますか?
サラリーマンですから、会社から与えられるやるべき仕事は当然あると思いますが、それに加えて、個人としてやってみたい仕事も同時にあると思います。
「会社からの仕事」と、「個人としての仕事」が、ご自身のキャリアのトラックレコード(実績)に刻まれていくわけですが、今の時代は主体的にキャリアを作っておないと路頭に迷うこともあり得ますから、「個人としての仕事」を明確にしておかないといけないです。
ご存知の通り、富士通、NEC、東芝、パナソニック等、斯様な大手企業でもリストラを簡単に実行する世の中となってきましたから。もちろん、1つの会社で勤め上げて定年までいくオプションも人によってはまだあるとは思います。
ただ、トヨタの豊田章男社長や経団連の中西会長が「終身雇用の維持」は今後難しいと仰る中で、転職(実際にするしないは置いといて)出来るというオプションを常に持っておくことは、仕事人生において転ばぬ先の杖となるのは間違いありません。
その最強のカードである「転職オプション」を持つ為にも、職務経歴書の作成や定期的なメンテナンスは必須であります!
期初に決めた目標達成度合いを期末にレビュー、職務経歴書に落とし込む
残念ながら、主体的にキャリアを作っておかないと、「いざ転職」となっても
- ご自身の市場価値を把握していない
- そもそも、職務経歴書を書いていない
- 転職市場で評価される仕事をしていない
という無い無い三昧未来に陥ってしまい、仕事人生が詰んでしまいます。
従って、ご自身が転職市場でどういう評価(想定年収)をされるのか、職務経歴書作成と併せて、マストでチェックしておきましょう。
パーソル(旧インテリジェンス)の「ミイダス」というサービスがあるので、やったことが無い人はこの機会に是非やってみてください!簡単な質問に答えるだけで、貴方の想定年収が分かりますよ。
職務経歴書を作成した後のポイントとして、「期初に」キャリアの自分のしおりを作って、「期末」にそのしおり通りに仕事をやれたのか、キャリアアップはしているのかをチェックするという「仕組み・習慣」を作っておくことで、職務経歴書が毎年勝手にアップデートされていくようにしましょう。
アップデートされた職務経歴書を見て、ご自身の年収を上げたいとか、成長が最近止まってきたとか、つまらない仕事しかやれていないとか、色々マイナスに思う所が増えてきたら、転職活動を始めるタイミングがきたということです!
100%合格する職務経歴書とは?
私が職務経歴書を作成する際に意識していることは、下記4点です。
- 職務経歴書は企業の担当者(読み手)が読み易いように書く
- 職務経歴書には成功事例だけでなく失敗事例も載せること
- 期初に(一般的には4月)何を職務経歴書を書きたいのかを決めてから、仕事に取り組む
- 期末に(一般的に3月)期初に決めたことの実現度合いを振り返り、実際に職務経歴書に落とし込んでいく
そもそも、書類審査を絶対にパスする職務経歴書はあるのでしょうか?答えはNo.です。どれだけ仕事が出来る超成功したエリートサラリーマンの職務経歴書であっても、100%書類審査に通るのは難しいでしょう。
何故ならば、企業が採用したい人材はその時々のタイミング、抱えている課題によって変わってくるからです。
つまり、ある時は書類審査が通った職務経歴書でも、採用したい人材に求めるもの(スペック)が変われば、書類審査で落ちる場合もあるということですね。
とすれば、ある意味で、求職者(転職する側)としてやりたい仕事と、求人者(採用する側)としてやってもらいたい仕事のマッチは運(確率)次第だとも言えます。
その前提で考えた時に、運(確率)を上げる方法として最も効くのは、シンプルに応募の手数を増やすことです! (下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるではいけませんが・・)
手数を増やそうとすれば、例えば、
応募しようかな~
けど、もう少し考えてから応募した方が良いかなぁ~
職務経歴書をもう少し磨き込んで再考してからの方が良いかなぁ 、、
この実績や職歴だと評価されないしなぁ・・・
と、上記のような悩みが出てきてしまう側面もあるでしょうが、どれだけ悩んでも解決はしません(笑)。
だって、企業が採用したい人物はその時々のニーズによって要件が変わっちゃう訳ですよ。
タイミングがはまれば、書類選考は通過するけど、タイミングが合わなければ書類選考で落ちてしまう。ただそれだけのことだと割り切って考えてみてください。
なので、気になった企業には躊躇せずに応募するようにしてくださいね。職務経歴書を企業に見て貰えない限り、転職活動は何も始まりませんからね。
書類選考結果の良し悪しに関わらず企業からのフィードバックは必ず貰う
実際に職務経歴書をあれこれと色々な企業に出していくと、書類選考が〇の場合もあれば✖の場合もあります。
そのタイミングで絶対にやらないといけないことがあります。それは、
応募した企業からのフィードバックを貰うことです。
書類選考の〇✖に関わらず、何故そうなったのかの理由を貰ってください。それがあれば、これまで何となく書いてきた職務経歴書の修正ポイントが見えてきますから。
また、そのフィードバックを貰うには「転職エージェント」にお願いするのがおすすめのやり方です。こういう時の為に企業と求職者(我々)の間に入っている訳ですからね。
フィードバックの依頼を「転職エージェント」にしても、まともなフィードバックを返してこない「転職エージェント」がなかにはいると思いますが、そういう時は遠慮せずに「転職エージェント」を切り替えましょう。
有能な転職エージェントに出会う方法はこちらを参考にしてください。
今後は、書類選考や面接が通って、年収等の条件面でのとても大切な交渉を「転職エージェント」に任せる局面が出てきます。
そういう時に活躍して貰える「転職エージェント」を、転職活動の最初の方に見つけておいた方が後々に有利になります。
単純に、転職エージェントにたくさん出会うにはビズリーチ経由がおススメのやり方ですので、登録がまだの方は職務経歴書作成のタイミングでやっちゃいましょう。
最後は転職エージェントの内容も入ってしまいましたが、以上、職務経歴書作成のポイントでした。
転職する為には職務経歴書の作成は避けては通れませんから、本記事を参考に一気に書き上げちゃいましょう。ご質問、ご相談等あればTwitterや「お問い合わせ」からどうぞお気軽に。