高度経済成長期の日本でしたら、1つの会社に就社し、がむしゃらに働いて、そして、定年を迎え、老後はゆっくり過ごせたのかもしれません。
しかし、今や時代は変わりました。大手の会社に就社するも突然リストラされ、定年を迎えるどころか、日々の生活すら守れない状況に陥ってしまう。厳しい現実です。
当然、サラリーマンにとって厳しい現実の中でも、雇われリーマンとして、能力を磨いて1つの組織の中で生き抜きていく道もあります。むしろ、このような従来の働き方の方がまだ主流なのかもしれません。
一方で、サラリーマン(本業)の傍らでの副業や起業、また、市場価値を高め何回も転職する等、自己防衛をしているサラリーマンが増えてきているようにも思えます。
つまるところ、昭和の時代に比べて、今は「仕事の選択肢」が豊富にあって、ご自身にあったベストな「働き方」を選べる時代になってきたのだと私は考えています。
前置きが長くなりましたが、本記事ではこれからの時代の「働き方」の参考になるビジネス書を紹介します。
自分なりの自由度を持った働き方を模索している中で、実際に読んで非常に参考になった本を厳選しました。
新しい働き方を知りたい人におすすめです。
LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略
●リンダ・グラットン
●おすすめ度:★★★★★
成長至上主義の次に来る、新しい生き方
「人生100年時代」というキーワードが世間を賑わしたのは記憶に新しいところ。人生は、教育⇒仕事⇒引退の3ステージで考えておけば安泰だった昔の時代から、様々なステージが不確実に入り乱れるマルチステージに既に変化していることにお気づきでしょうか。
想像以上に時代は早く流れていますから、新しい働き方にアジャストしないことには将来設計もできません。
本書には、そんな不確実性の高い時代に持っておくべき選択肢、お金以外の無形資産の作り方、100年時代の人生設計方法等が具体的に書かれています。
長期の人生設計があやふやな方や時代の変化を感じ取りたい方におすすめです。
ちなみに、ワーク・シフト─孤独と貧困から自由になる働き方の未来図<2025>という前作が2012年に発刊されていて、2025年の未来予想図を語っていたのですが、今振り返ると結構当たっていて、流石!と思いました。併せて読むと世の中の潮流が見えてきます。
坂の上の坂
●藤原和博
●おすすめ度:★★★★★
組織に棚卸しされるまえに、自分の棚卸しをする
「仕事」と「仕事以外」をうまくバランスさせて、人生を豊かに生きる為の指南書です。「坂の上の雲」の昔の時代は、皆一緒の成長社会でがむしゃらに生きていれば幸せ。
一方、現在の日本は成熟社会で、「みんな一緒」から「それぞれ一人一人」の時代で、自分なりの生き方を模索しないといけない。それを「坂の上の坂」の時代と藤原さんは表現しています。
サラリーマンであろうと無かろうと、30代までに戦略的な仕事選びをしないと、40代以降で仕事選びの自由度が低くなってしまう未来がくると本書で警鐘を鳴らしています。
これから先の仕事や人生設計に不安を覚える方にはぜひ読んで頂きたいです。
・いったん「クリティカルシンキング」で自分の意見や進むべき方向を定めたら、その実現段階では、世の中を信じきって進める。
・会社や組織のビジョン、戦略を理解すること。そこからやりたいことのマッチングを模索する。
「週4時間」だけ働く。
●ティモシー・フェリス
●おすすめ度:★★★★☆
夢を先送りするな、いまがあなたを変える絶好の時だ!
タイトルからして悪魔的です。「週4時間」だけ働く。ですから。「働き方を大きく変えたい」と言えども、いきなり週4時間は少しぶっ飛び過ぎでしょうかw
いやいやそんなことありません。頭のブレーキを外すにはこういう本もたまには必要ですよ。
本書は2007年に出版されたのですが、時代の流れは速いですね。例えば、著者が当時提案していた、手っ取り早く働き方を変える方法としての「リモートワーク、フレックス、副業」等は今や当たり前だのクラッカーで、日本の企業でも普通にあるあるになりました。
ただ、上記のような小技の働き方改革も大切なポイントなのですが、本書の目指す究極のところは少ない時間で効率的にお金を稼ぐ、「収入のオートパイロット化」です。リモート等の小技では「週4時間だけ働く」は実現できませんからね。
自由気ままに見えるけど、しっかり稼いでいる人の仕事ってどんなんや!?と少しでも気になった方におすすめなユニークな1冊です。
・行動を先延ばししたために、金銭的に、気持ち的に、肉体的にどのぐらいの損害をこうむっているだろうか。
・わくわくすることは、幸せの実質的な同義語であり、まさにあなたが追い求めるべきものだ。興奮こそ万能薬である。
・存在しないパズルのピースを合わせようと一生懸命になり過ぎれば、本当の面白さを見逃してしまう。すべてのルールと制限は、自分自身がつくるものだと自覚しよう。
半年だけ働く。
●村上アシシ
●おすすめ度:★★★☆☆
「単価」を2倍にして、働く時間を”半分”にする
働き方を大きく変えたいけれど、「週4時間だけ働く」は少しぶっ飛び過ぎだと感じた方に、もう少しマイルドな「半年だけ働く」を提案しますw
著者は外コンのアクセンチュアでマネジャーをやり、フリーのコンサルとして独立。「半年仕事・半年旅人」を10年実践しているようで、中田英寿かよ!とツッコまずにはいられませんでした。
端的にいうと、ご自身の仕事における他社(他人)の問題解決への貢献度が高ければ、フリーの世界でメシを食えるというのが著者の意見です。
「貢献度合い=単価」と考えると、スッゴイ仕事ができる人は単価を高めて、働く時間を少なくできるという理屈です。ご自身のお仕事にあてはまりそうでしょうか?
コンサルに限らず、どの職種でも問題解決型の仕事はどこの業界でも通用すると思うので、それをサラリーマンとして組織内でやり続けるのか、もしくは、フリーとして活かすか次第です。
サラリーマン以外の働き方に興味を持っている方におすすめです。
現実的ライフワークの道
●マイケル・コーダ(訳:竹村 健一)
●おすすめ度:★★★★☆
企業家、弁護士、宇宙飛行士、コンサルタント、セールスマン等、有名人でない一般の職業人達の成功体験を描いた一冊。世の中の普通の人がどうやって成功したのか、知りたい人におすすめです。
世の成功者たちは、その日その日でなにかに成功するという前提の下に、自分の人生プランを立てているのである。今日なら今日という与えられた日に、自分は一体何を達成したいのかちゃんとわきまえていて、それをやり遂げようと着手する。
今日という日を昨日や明日には関係のない、一個の独立した非常に重要な時間の一単位だとする考え方を身につけるべきだ。自分の業績を、昨日したことによってではなく、また明日する予定のことによってでもなく、今日したことによって評価しなければならないのである。
自分のすることからどれだけ楽しみを汲み出せるか、成功のチャンスはまさにその度合に正比例するのである。万一あなたが自分の嫌いな職業についているのだったら、その事実をあるがままに直視し、すべからく辞めることだ。
まだ東京で消耗してるの?
●まだ東京で消耗してるの? 環境を変えるだけで人生はうまくいく
●イケダハヤト
●おすすめ度:★★☆☆☆
最後はイケハヤさんですw 働き方を大きく変える1つの手段として、「田舎暮らし」は即効性があると思うので、本書を紹介します。
本書をチョイスした理由は、サラリーマンを辞めて田舎暮らしをしている分かり易い有名人といえば、イケダハヤトさんだからです。以上。
もちろん、最近のイケハヤさんの過激な発言は横に置いとく必要はありますが(炎上商法でメシを食ってはるので)、田舎暮らしを何年も前から実践している(現在2020年も)のは事実ですから、田舎暮らしの実態を知りたい方には参考になると思います!
田舎暮らしをやってみたいけど、実際どうなのよ!?と常々感じている方におすすめです。
ちなみに、イケハヤさんが田舎暮らしをスタートした背景は、組織人としての適正が無かった為、東京から高知に引っ越し、ブロガーとして生計を立てるようになったとのことでした。
働き方を大きく変える前に「自分の適性」を把握しておくことは大切なポイントだと強く思います。(イケハヤさんは組織で生きるのではなく、1人ビジネスを選んだ)
以上、新しい働き方を知りたい時に読むビジネス書・6選でした。特におすすめは、LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略です。これからの時代の新しい働き方のイメージを掴むにはベストだと思います。皆さんの参考になれば幸いです。